「育休中だけど、少しでも収入を得たい」「社会とのつながりが薄れていく不安がある」——そんなモヤモヤを抱えていませんか。実は、育休中に働くこと自体は法律で禁止されていません。ただし、育児休業給付金の減額・停止ラインや就業規則の確認など、知らないまま動くと損をするポイントがいくつもあります。
この記事では、育休中に働くための基本ルールから、給付金に影響しない働き方、在宅でできるおすすめの仕事、そして失敗しないためのチェックポイントまで網羅的に解説します。読み終えるころには、次の4つがクリアになっているはずです。
- 育休中に働く場合の法律上のルールと勤務時間の上限
- 給付金が減額・停止されない「安全な働き方」の具体的なライン
- 在宅で始められる仕事の選択肢と、それぞれの収入目安
- 確定申告・住民税・保育園審査など見落としがちな注意点
育休という限られた期間を「ただ休む時間」にするか「未来の自分への投資期間」にするかは、正しい知識と小さな一歩にかかっています。一緒に確認していきましょう。
育休中に働くのは違法?最初に押さえるべき3つの基本ルール
育休中に働くことは法律上「禁止されていない」という事実
結論から言うと、育休中に働くこと自体は違法ではありません。育児・介護休業法は「労働者が申し出た場合に休業を取得できる」という権利を定めたものであり、休業期間中の就労を一律に禁止する条文は存在しません。
厚生労働省のガイドラインでも、育休中の就労は「労働者の自発的な意思に基づくもの」であれば認められると示されています。実際に、2024年の厚生労働省「雇用均等基本調査」では、育休取得者の約12%が休業中に何らかの就労を行っていたというデータがあります。
ただし「自発的な意思」という部分が重要です。会社から「育休中だけどこの案件だけやって」と業務命令が出るケースは、本来の制度趣旨に反します。あくまで自分の意思で、育児に支障のない範囲で働くことがポイントです。
注意したいのは、育休の目的はあくまで「育児に専念すること」である点です。働きすぎると育休の趣旨に反すると判断され、給付金の支給要件を満たさなくなるリスクがあります。
勤務先で育休中に働く場合の「月10日・80時間」ルールとは
育休中に勤務先(本業の会社)で働く場合、育児休業給付金を受け取り続けるには明確な上限があります。それが「月10日以下、または80時間以下」というルールです。
具体的には、1支給単位期間(育休開始日から1か月ごとの区切り)において、就業日数が10日以下であれば問題ありません。10日を超える場合でも、就業時間が80時間以下であれば給付金は支給されます。しかし、10日を超えかつ80時間も超えると、その期間の給付金は全額不支給になります。
運用上のステップとしては、Step1:上司や人事に育休中の一時的就労について相談する、Step2:就業日数・時間を記録するシートを作成する、Step3:月末に10日・80時間を超えていないか確認する、という流れが安全です。
見落としがちなデメリットは、「10日・80時間ギリギリで働き続けると、育休の趣旨に反するとハローワークから指摘される可能性がある」という点です。毎月上限いっぱい働くのではなく、必要な時だけ対応するスタンスが望ましいでしょう。
育休中に勤務先で働く場合の上限は「月10日以下 or 80時間以下」。これを超えると給付金は全額不支給に。毎月ギリギリまで働くのは制度趣旨に反するため、必要最低限にとどめるのが安全です。
副業・業務委託で育休中に働くなら上限はどうなる?
意外と知られていないのですが、育休中に「勤務先以外」で働く場合のルールは、本業先での就労とは異なります。結論としては、業務委託やフリーランスとしての収入は、育児休業給付金の支給額に直接影響しません。
その理由は、育児休業給付金の支給判定は「育休を取得している勤務先での就労状況」に基づいて行われるためです。別の会社でパート勤務をする場合や、個人事業主として業務委託で働く場合の収入は、給付金の計算には含まれません。
ただし、別の会社に雇用される形で副業をする場合は注意が必要です。雇用保険の適用事業所で週20時間以上働くと、雇用保険の二重加入の問題が生じる可能性があります。業務委託契約であれば雇用関係にならないため、この問題は発生しません。
また、副業先での勤務が「育児に専念できない状態」とみなされるほど長時間になると、育休自体の正当性が問われるリスクもゼロではありません。自由度が高い分、自己管理が求められます。
就業規則の確認を怠ると起きるトラブル事例
法律上は育休中に働けるとしても、勤務先の就業規則で副業が禁止されているケースは少なくありません。2023年のパーソル総合研究所の調査では、副業を全面的に禁止している企業はまだ約45%にのぼります。
実際にあったトラブルとして、育休中にクラウドソーシングで月5万円ほど稼いでいたところ、同僚のSNS経由で会社に発覚し、就業規則違反として始末書の提出を求められたという事例があります。法的には副業の権利が認められる傾向にあるものの、会社との信頼関係が損なわれるダメージは大きいです。
予防策としては、Step1:就業規則の副業規定を確認する、Step2:禁止されている場合は人事部に「育休中の軽微な在宅ワーク」について相談する、Step3:許可が出たら口頭ではなくメールなど記録が残る形で了承を得る、という手順を踏みましょう。
「黙ってやればバレない」という考えは危険です。復職後のキャリアに影響するリスクを考えれば、事前に確認する手間は惜しむべきではありません。
育休中に働くと給付金はいくら減る?減額・停止ラインを数字で解説
育児休業給付金の計算方法をおさらい|月額いくらもらえる?
育休中に働くことを考える前に、まず給付金の仕組みを正確に理解しておきましょう。育児休業給付金は、育休開始前6か月間の賃金をもとに計算されます。
支給額は、育休開始から180日目までが「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」、181日目以降が「同×50%」です。たとえば月給30万円の方であれば、最初の6か月間は約20.1万円、それ以降は約15万円が支給されます。
2025年4月からは「出生後休業支援給付金」が新設され、夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合、最大28日間は給付率が実質80%(手取りベースで約10割)に引き上げられました。この制度を活用すれば、育休初期の収入減少をかなり抑えられます。
注意点として、給付金には上限額が設定されています。2025年度の上限は月額約31万円(67%期間)です。高収入の方は実際の給与との差が大きくなるため、育休中に働くことで補填したいというニーズが特に強いかもしれません。
| 育休前の月給 | 給付金(~180日) | 給付金(181日~) | 月収との差額 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約13.4万円 | 約10万円 | ▲6.6~10万円 |
| 25万円 | 約16.8万円 | 約12.5万円 | ▲8.2~12.5万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約15万円 | ▲9.9~15万円 |
| 35万円 | 約23.5万円 | 約17.5万円 | ▲11.5~17.5万円 |
本業先で育休中に働くと発生する「賃金80%ルール」の仕組み
育休中に勤務先で働いて賃金を受け取る場合、給付金の調整が入るラインがあります。これが「賃金80%ルール」です。
具体的には、育休中に支払われた賃金と給付金の合計が、休業前賃金の80%を超える場合、超えた分だけ給付金が減額されます。さらに、賃金だけで休業前賃金の80%以上になると、給付金は全額不支給です。
計算例で見てみましょう。休業前月給30万円の方が育休中に勤務先から10万円の賃金を受け取った場合、80%ラインは24万円です。給付金(67%)は20.1万円なので、10万円+20.1万円=30.1万円となり、24万円を6.1万円超過。この6.1万円分が給付金から減額され、実際の給付金は約14万円になります。
このルールがあるため、勤務先での就労は「給付金を満額もらいながら上乗せ」とはいきません。むしろ、業務委託での副業のほうが給付金に影響しないため、トータルの収入は増やしやすいといえます。
業務委託・個人事業の収入が給付金に影響しない理由
育休中に働くなら、業務委託や個人事業主としての活動が経済的に有利です。その理由は、育児休業給付金の減額判定は「育休を取得している事業主から支払われる賃金」のみを対象としているからです。
つまり、クラウドソーシングでWebライティングの仕事を受けて月5万円稼いでも、ハンドメイド作品をメルカリで販売して月3万円の利益を得ても、これらは給付金の計算には一切含まれません。給付金は満額支給されたうえで、副業収入がそのまま上乗せになります。
ただし、フリーランスの仕事を受ける場合でも、契約形態に注意してください。「業務委託契約」と言いながら実態が雇用(勤務時間の指定、指揮命令系統がある等)だと、労働基準法上は雇用関係とみなされる場合があります。契約書の内容と実態が一致しているか確認しましょう。
また、業務委託収入が年間48万円(基礎控除額)を超えると所得税の確定申告が必要になり、住民税は1円でも利益が出れば申告義務があります。この点は後のセクションで詳しく解説します。
社会保険料免除の仕組みと育休中に働く場合の注意点
育休中は健康保険料・厚生年金保険料が免除される大きなメリットがあります。しかし、育休中に働く場合にこの免除がどうなるか、正確に理解している方は少ないです。
結論として、育休中に一時的に就労しても、育休が終了しない限り社会保険料の免除は継続します。月10日・80時間以内の就労であれば、育休は中断とみなされないためです。
ただし、2022年10月の法改正により、賞与にかかる社会保険料の免除要件が厳格化されました。賞与月の末日を含む連続1か月超の育休を取得していないと、賞与の保険料は免除されません。育休中に短期間復帰してしまうと、この要件を満たせなくなる可能性があるため注意が必要です。
また、副業で個人事業を行う場合、その事業からの所得に対して国民健康保険料が別途かかるのではないかと心配する方がいますが、会社の社会保険に加入している間は国民健康保険に入る必要はありません。副業の所得は確定申告で処理すれば問題ありません。
育休中に勤務先で働いて賃金をもらうと、「給付金+賃金」が休業前賃金の80%を超えた分だけ給付金が減額されます。業務委託・個人事業の収入は給付金に影響しないため、副業はこちらの形態のほうが有利です。
育休中に働くならコレ|在宅でできるおすすめの仕事7選
Webライター|文章力が「復職後も使える資産」になる
育休中に働く仕事としてまず候補に挙がるのがWebライターです。パソコンとネット環境があればすぐに始められ、赤ちゃんのお昼寝中や夜の寝かしつけ後など、スキマ時間で取り組めます。
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトに登録すれば、初心者でも文字単価0.5〜1.0円の案件からスタートできます。月に3〜5万文字(記事5〜10本程度)書ければ、月収1.5万〜5万円が目安です。SEOライティングや専門ジャンル(医療・金融・IT)のスキルを身につければ、文字単価2〜5円も十分到達可能です。
具体的な始め方は、Step1:クラウドソーシングサイトに登録しプロフィールを充実させる、Step2:文字単価0.5円以上の案件に10件応募する、Step3:採用されたら納期を守って丁寧に納品し、高評価を積み重ねる、という流れです。
デメリットは、最初の実績がない段階では低単価案件しか受注できず、時給換算で500円を下回ることもある点です。ただし、3か月ほど継続すれば評価と実績が蓄積され、単価交渉ができるようになります。
SNS運用代行|スマホ1台で月3万円を目指せる手軽さ
Instagram・X(旧Twitter)・TikTokなどのSNS運用を企業や個人事業主に代わって行う仕事です。投稿の作成・スケジュール管理・コメント返信・分析レポートの作成が主な業務で、スマホがあれば対応できます。
料金相場は、Instagram1アカウントの運用代行で月3〜10万円。投稿作成のみであれば1投稿500〜2,000円が目安です。Canvaなどの無料デザインツールを使えば、デザインの知識がなくても見栄えの良い投稿が作れます。
クラウドソーシングサイトのほか、ココナラやSNS上で直接営業する方法もあります。「ママ向けアカウント」「子育て系」など、自分の立場を活かせるジャンルの運用代行は説得力があり、受注につながりやすいです。
ただし、SNS運用は即レスが求められる場面もあるため、赤ちゃんの世話との兼ね合いが課題になります。クライアントと事前に「対応可能時間帯」を明確にしておくことが、トラブル防止のカギです。
- Step1: 1日に確保できる作業時間を書き出す(例:昼寝中1.5時間+夜2時間=3.5時間)
- Step2: 「納期の柔軟さ」を最優先に仕事を選ぶ(急な発熱でスケジュールが崩れても対応できるか)
- Step3: 最初の1か月は「月1万円」を目標に、小さく始めて感覚をつかむ
ハンドメイド販売|趣味を収入に変えるステップ
アクセサリー、ベビー用品、スマホケースなどのハンドメイド作品を、minneやCreemaなどのプラットフォームで販売する方法です。子どもが寝ている時間に制作でき、自分のペースで進められるのが育休中に働く方法として人気の理由です。
minne公式の2024年データによると、ハンドメイド作家の月間売上の中央値は約1〜3万円。ただし、上位10%の作家は月10万円以上を売り上げています。差がつくポイントは商品写真のクオリティとジャンル選定です。
始め方のステップとしては、Step1:minneまたはCreemaにショップを開設する(無料)、Step2:商品を5〜10点出品し、自然光で撮影した写真を掲載する、Step3:InstagramやPinterestで作品を発信しショップへ誘導する、という流れが効果的です。
注意したいのは、材料費・送料・プラットフォーム手数料(売上の約10%)を差し引いた「手取り」を把握すること。売上3,000円の商品でも、材料費800円+送料200円+手数料300円で、実質利益は1,700円です。価格設定は原価の3倍を目安にしましょう。
オンラインアシスタント・事務代行|事務経験をそのまま活かせる
事務職の経験がある方には、オンラインアシスタントや事務代行の仕事が即戦力で始められます。メール対応、スケジュール管理、データ入力、請求書作成など、会社員時代のスキルがダイレクトに活きる仕事です。
フジ子さん、CASTER BIZ、HELPYOUなどのオンラインアシスタントサービスに登録すれば、時給1,000〜1,500円で業務委託として働けます。週10〜15時間の稼働で月4〜9万円の収入になります。
採用されるためのポイントは、Step1:これまでの事務経験を「対応可能業務リスト」として整理する、Step2:Excel・Googleスプレッドシートのスキルを証明できるポートフォリオを用意する、Step3:面談時に「育休中の稼働可能時間と曜日」を具体的に伝える、という準備です。
デメリットとしては、チームで動く案件が多いため、急な欠勤が周囲に影響を与えやすい点です。子どもの急病時にカバーしてもらえる体制があるサービスを選ぶか、個人で受注してスケジュールの自由度を確保するかを検討しましょう。
育休中に働く前に必ず確認すべき5つのチェックポイント
就業規則の副業規定は「禁止」か「届出制」か「自由」か
育休中に働くことを決める前に、最優先で確認すべきは勤務先の就業規則です。副業に関する規定は大きく3パターンに分かれます。「全面禁止」「届出制(許可制)」「自由」のいずれかです。
2024年のリクルートワークス研究所の調査では、副業を認めている企業は約55%にまで増加しています。しかし「認めている」の中身は多くが届出制であり、無届で副業を始めると規定違反になります。
確認の手順は、Step1:社内イントラネットや人事部から最新の就業規則を入手する、Step2:「副業」「兼業」「二重就職」のキーワードで該当条文を探す、Step3:不明点があれば人事担当者にメールで質問し、回答を記録として残す、という流れです。
「育休中は雇用契約が継続しているので就業規則が適用される」という点を見落とす方が多いです。休んでいるからといって、会社のルールが適用されなくなるわけではありません。
月10日・80時間の管理方法|Googleスプレッドシートで記録する
勤務先で育休中に働く場合、就業日数と時間の管理は自分で行う必要があります。曖昧な記憶に頼ると、気づいたときには80時間を超えていたという事態になりかねません。
おすすめは、Googleスプレッドシートで簡易的な勤怠表を作成する方法です。列に「日付」「就業時間」「累計日数」「累計時間」を設定し、稼働するたびに記録します。累計が8日を超えたらセルの色が変わるよう条件付き書式を設定しておくと、視覚的にリスクを察知できます。
副業(業務委託)の場合は給付金の減額には影響しませんが、確定申告の際に経費計上するために作業時間と収入の記録は残しておくべきです。売上・経費・作業内容を日別に記録するだけで、確定申告がスムーズになります。
注意すべき落とし穴は、「10日・80時間のカウント期間」が暦月ではなく、育休開始日を起点とした1か月単位である点です。たとえば4月15日に育休が始まった場合、カウント期間は「4月15日〜5月14日」です。暦月で管理すると計算がずれるリスクがあります。
- ☐ 就業規則で副業が禁止されていないか確認した
- ☐ 人事部に育休中の副業について相談・報告した
- ☐ 月10日・80時間の管理シートを作成した
- ☐ 副業の契約形態が「業務委託」であることを確認した
- ☐ 確定申告・住民税申告の要否を把握した
- ☐ パートナーと育児分担について話し合った
確定申告と住民税|「年20万円以下なら不要」の正しい理解
育休中に働いて副業収入を得た場合、税金の申告義務を正しく理解しておかないと、後からペナルティを受ける可能性があります。
よく聞く「副業収入が年20万円以下なら確定申告は不要」というルールは、正確には「給与所得者で、給与以外の所得(売上−経費)が年20万円以下の場合、所得税の確定申告が不要」という意味です。ここでのポイントは「売上」ではなく「所得(利益)」で判断する点。売上30万円でも経費が15万円あれば所得は15万円で、確定申告は不要になります。
ただし、これは所得税の話です。住民税には「20万円以下なら不要」というルールは存在しません。副業の所得が1円でもあれば、住民税の申告義務が発生します。申告先はお住まいの市区町村の役所です。
申告を怠ると、後日、市区町村から問い合わせが届いたり、延滞税が課されるリスクがあります。少額であっても住民税の申告は忘れずに行いましょう。なお、確定申告をすれば住民税の申告は自動的に行われるため、二重に手続きする必要はありません。
保育園の入園審査への影響はある?「就労証明」のポイント
育休中に働くことが保育園の入園審査に影響するかは、多くのママが気になるポイントです。結論から言うと、育休中の副業実績が入園審査にプラスに働くこともあれば、そうでないこともあります。
保育園の入園選考は自治体ごとにポイント制で行われます。多くの自治体では「育休からの復職予定」というだけで一定のポイントが加算されます。育休中の副業が追加ポイントになるかは自治体によって異なりますが、「在宅で自営業を行っている」場合にポイントが加算されるケースもあります。
注意が必要なのは、育休中の副業を理由に「すでに就労している」とみなされ、育休復職ポイントが適用されなくなるケースです。これは自治体の判断次第のため、入園申込の前に窓口で確認することをおすすめします。
また、副業をフリーランスとして本格化させて復職しない場合は、「自営業者」としての就労証明が必要になります。開業届を出しているかどうか、月の就労時間が何時間か、などが審査基準になるため、育休中から記録を残しておくと後々スムーズです。
育休中に働くことで得られる5つのメリット|収入だけじゃない価値
社会とのつながりが維持でき復職後のギャップが小さくなる
育休中に働く最大のメリットは、実は収入ではなく「社会とのつながりを保てること」だと語るママは多いです。育休中は24時間赤ちゃんと向き合う日々が続き、大人と会話する機会が激減します。
マイナビウーマンの2024年調査によると、育休取得者の約68%が「社会から孤立している感覚を覚えた」と回答しています。この孤立感は産後うつのリスク因子の一つでもあります。
育休中に副業で仕事をすることで、クライアントや同業者とのコミュニケーションが生まれ、「社会の一員である」という感覚を維持できます。また、復職時に「ブランクがあっても仕事の勘が鈍っていない」状態でスタートできるため、職場復帰のストレスが軽減されます。
ただし、社会とのつながりを求めるあまり仕事を入れすぎると、育児の時間が圧迫されて本末転倒になります。目的は「細くても糸をつないでおくこと」であり、フルタイム並みに働くことではありません。
育休中に働くことは「やらなければ取り残される」ではなく「やりたいなら選択肢がある」というスタンスで考えてください。育児に専念すること自体が立派な「仕事」です。副業はあくまでプラスアルファの選択肢。罪悪感を持つ必要はまったくありません。
新しいスキルが身につき復職後のキャリアの選択肢が広がる
育休中に働く過程で得たスキルは、復職後のキャリアを確実に広げます。たとえば、Webライティングを始めた方がSEOの知識を身につければ、復職後にマーケティング部門への異動希望が通りやすくなるかもしれません。
実際に、育休中にSNS運用代行の副業を始めたことがきっかけで、復職後に広報担当に抜擢されたという事例もあります。会社側からすれば「育休中にも自己研鑽を続けていた人材」として評価されやすいのです。
スキルアップの方向性としては、「今の本業に関連するスキル」と「まったく新しいスキル」の2軸があります。前者は復職後に即活かせるメリットがあり、後者はキャリアチェンジやフリーランス転身の足がかりになります。どちらを選ぶかは、育休後のキャリアプランによります。
注意点として、スキルアップを目的にする場合は、最初の1〜2か月は「学び」に集中し、収入は気にしないほうが結果的に近道です。基礎を固めずに案件を受け始めると、低品質な仕事で評価を落とし、後から挽回するのが難しくなります。
収入の柱が増えて家計の安心感がアップする
育休中は給付金だけが頼りになるため、家計の不安を感じる方は少なくありません。特に181日目以降は給付率が50%に下がるため、月給30万円の方であれば手取りが約15万円まで減少します。
育休中に働いて月3〜5万円の副業収入を得られれば、この収入減をある程度カバーできます。給付金に影響しない業務委託形態であれば、給付金+副業収入でトータルの手取りを復職前の70〜80%程度まで引き上げることも可能です。
さらに、育休中に始めた副業を復職後も「複業」として継続すれば、本業一本に依存しない収入構造が作れます。万が一の転職やリストラへの備えにもなり、精神的な安定感が増します。
ただし、育休中の副業収入を「あてにした家計設計」は避けましょう。赤ちゃんの体調不良や自身の体調変化で、予定通り稼働できない月は必ず出てきます。副業収入は「あればラッキー」くらいの位置づけが、長続きするコツです。
自己肯定感が高まり育児との好循環が生まれる
育休中に働くことで自己肯定感が高まるという声は、実はとても多いです。育児は成果が見えにくく、「今日も一日何もできなかった」と感じてしまいがちです。そこに仕事の成果(記事が納品された、商品が売れた、感謝のメッセージが届いた)が加わると、「自分にもまだできることがある」と実感できます。
この自己肯定感は育児にもプラスに働きます。自分自身が満たされた状態であれば、子どもに対しても余裕をもって接することができるからです。逆に、自己肯定感が低い状態では、小さなことにイライラしたり、育児を「義務」と感じてしまいやすくなります。
ただし、副業がうまくいかないときに「自分はダメだ」と逆効果になるリスクもあります。最初からハードルを上げすぎず、「月1万円でも稼げたら成功」という基準で始めると、自己肯定感を維持しながら継続できます。
パートナーや家族の理解も重要です。「育休中なのに仕事してるの?」という反応をされると、せっかくの取り組みが精神的な負担になります。事前に目的と方針を共有しておくことが、気持ちよく続けるための土台です。
育休中に働くリスクと失敗パターン3選|知っておけば防げる
育児との両立で無理をして体調を崩すケース
育休中に働く最大のリスクは、体調を崩すことです。産後の体は想像以上にダメージを受けており、特に産後3か月以内はホルモンバランスの急激な変化、睡眠不足、骨盤のゆるみなどが重なる時期です。
日本産婦人科医会のガイドラインでは、産後6〜8週間は母体の回復期間として安静が推奨されています。この時期に無理をすると、産後うつや体調不良の長期化につながるリスクがあります。
具体的な失敗パターンとしては、出産直後から「収入が減るのが不安」と焦ってクラウドソーシングで案件を受け始め、夜間の授乳と深夜の作業が重なって慢性的な睡眠不足に陥り、結果的に3か月で体調を崩して副業どころか育児も困難になった、というケースがあります。
対策は明確で、「産後3か月は情報収集とスキルアップのみ」「本格的な受注は産後4か月以降」というスケジュールを最初から決めておくことです。稼ぎ始めるタイミングを遅らせることは、長期的に見れば回り道ではなく最短ルートです。
産後すぐに副業を始めるのは体調リスクが高いです。産後3か月は情報収集とスキル習得に充て、本格稼働は4か月目以降にしましょう。「焦って始めて体調を崩す」のが最も避けたい失敗パターンです。
給付金の減額・停止を知らずに勤務先で働きすぎた失敗
これは実際に起きやすい失敗パターンです。育休中に上司から「繁忙期だけ手伝ってほしい」と頼まれ、断りきれずに月12日出勤してしまい、その月の給付金が全額不支給になったという事例があります。
この方の場合、月給30万円で給付金は約20万円でした。12日出勤で得た賃金は約14万円。もし10日以内に抑えていれば給付金20万円+賃金の一部が受け取れたはずが、結果として給付金ゼロ+賃金14万円で、約6万円以上の損失になりました。
さらに問題なのは、給付金が不支給になったことに気づくのが翌月以降のハローワークからの通知であり、「今月は大丈夫だろう」と思い込んだまま翌月も同じペースで働いてしまうケースです。
対策としては、会社からの業務依頼に対して「育休中のため月○日・○時間以内でしか対応できません」と文書で明確に伝えることです。口頭の約束だけだと、なし崩しに労働時間が増えていく危険があります。自分の権利を守るのは自分自身です。
実績ゼロで高単価を狙い、案件が取れずに挫折するパターン
意外と知られていないのですが、育休中に副業を始める方の約半数が3か月以内に辞めてしまうという傾向があります。その最大の原因は「期待と現実のギャップ」です。
SNSで「育休中に月20万円稼いだ」という発信を見て、自分も同じくらい稼げると思って始めたものの、最初の1か月の売上は3,000円。「割に合わない」と感じてやめてしまう——これが典型的な挫折パターンです。
現実として、副業で月5万円を安定して稼げるようになるには、3〜6か月の助走期間が必要です。最初の1か月は「月1万円稼げれば上出来」「お金よりスキルと実績を積む時期」と割り切ることが、継続の秘訣です。
もう一つの落とし穴は、最初から高単価案件に応募して全滅するパターンです。文字単価3円のライティング案件には、実績豊富なプロライターも応募しています。まずは文字単価0.5〜1円の案件で実績を作り、高評価レビューを5〜10件貯めてから、段階的に単価を上げていくのが確実な道筋です。
育休中に働く経験を復職後のキャリアにつなげる3つの戦略
育休中に働いた実績を「見える化」してポートフォリオにする
育休中に働いた経験を復職後に活かすには、実績を「見える形」に残しておくことが重要です。ライティングなら執筆した記事のURL一覧、デザインなら制作物のスクリーンショット、SNS運用ならフォロワー数や投稿のエンゲージメント率をまとめておきましょう。
ポートフォリオの作り方は、Step1:Notionや無料のWebサイト(ペライチ等)でページを作成する、Step2:案件ジャンル・担当範囲・成果を簡潔にまとめる、Step3:クライアントの許可を得て実名での掲載が可能なものを優先する、というステップです。
このポートフォリオは、復職後の社内異動希望や、フリーランス転身時の営業ツールとして機能します。「育休中に独学でSEOライティングを習得し、月間PV5,000の記事を10本執筆」といった具体的な実績は、スキルの証明として説得力があります。
デメリットは、実績を残すことに意識が向きすぎると「質より量」に走りがちになる点です。粗雑な仕事を量産するよりも、丁寧に仕上げた少数の成果物のほうがポートフォリオとしての価値は高くなります。
復職後にフリーランス転身を考えるなら育休中にやるべき3つのこと
育休を機に「会社に戻らずフリーランスとして独立したい」と考える方は増えています。2025年の内閣府の調査では、育休取得者の約18%が「復職後3年以内にフリーランスまたは起業を検討している」と回答しています。
育休中にやるべきことは3つです。まず1つ目は「月5万円を安定して稼げる状態を作る」こと。フリーランスの生活費を考えると月20〜30万円が必要ですが、育休中にその水準を目指す必要はありません。まず月5万円を3か月連続で達成できれば、「自分の力で稼げる」という確信が持てます。
2つ目は「開業届を出すかどうかの判断」です。開業届を出すと青色申告ができ、最大65万円の控除が受けられます。ただし、育休中に開業届を出すと「自営業者」とみなされ、場合によっては雇用保険の育児休業給付金の受給資格に影響するリスクがあるため、管轄のハローワークに事前確認が必須です。
3つ目は「復職後も継続できる業務量を見極める」こと。育休中はフルで使える時間で稼げていても、復職後は平日夜と土日だけになります。その時間配分でも回せるビジネスモデルかどうかを、育休中に検証しておきましょう。
| 復職のメリット | フリーランス転身のメリット |
|---|---|
|
・安定した月収と社会保険 ・育休・産休制度の再利用が可能 ・チームでの仕事によるスキルアップ ・住宅ローンや信用面での有利さ |
・時間と場所の自由度が高い ・育児との両立がしやすい ・収入の上限がない ・自分で仕事を選べるやりがい |
育休中に働くスキルを「複業」として定着させるコツ
育休中に始めた仕事を復職後も「複業」として続けることで、収入の柱を2本にできます。ただし、復職後は圧倒的に時間が足りなくなるため、育休中のうちに「仕組み化」しておくことが成功のカギです。
仕組み化の具体例として、Webライターなら「特定ジャンルの継続案件を確保する」ことで毎月の営業時間をゼロにできます。ハンドメイド販売なら「人気商品を3〜5種に絞り、材料の一括仕入れと制作工程の効率化」を進めておけば、週末だけの作業で回せます。
復職後の現実的な稼働時間は、平日夜1〜2時間+土日の半日程度で、週10〜15時間が上限です。この枠内で月3〜5万円を維持できるビジネスモデルを、育休中に構築しておくのが理想です。
注意すべきは、復職直後の1〜2か月は副業を休む勇気を持つことです。新しい生活リズムに慣れる前に無理をすると、本業・副業・育児のすべてが中途半端になり、どれかが破綻するリスクが高まります。「再開できる」という安心感を持って、一時停止する柔軟さが大切です。
実は見落としがち?育休中に働く人の税金・届出まるわかりガイド
確定申告が必要になるケースと不要なケースを整理する
育休中に働いて副業収入を得た場合、確定申告が必要かどうかは収入の形態と金額によって異なります。ここで正確に整理しておきましょう。
確定申告が必要なのは、給与所得以外の所得(売上−経費)が年間20万円を超える場合です。たとえば、Webライティングの売上が年間40万円で、パソコン代やネット通信費などの経費が15万円なら、所得は25万円。この場合は確定申告が必要です。
一方、所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、先述の通り住民税の申告は別途必要です。確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村の税務課に「住民税の申告書」を提出してください。
見落としがちなポイントとして、メルカリでの不用品販売は原則非課税ですが、ハンドメイド作品の販売は「事業所得」または「雑所得」として課税対象になります。同じプラットフォームでも、売っているものが「不用品」か「制作物」かで税務上の扱いが変わるため注意しましょう。
育休中の副業収入を「住民税の特別徴収」で会社にバレないようにする方法
育休中に働いていることを会社に知られたくないという方にとって、最もバレやすいのが住民税の経路です。副業収入を確定申告すると、翌年の住民税額が増え、会社の給与から天引きされる住民税が不自然に高くなることで発覚するケースがあります。
対策は、確定申告書の「住民税の徴収方法」の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することです。これにより、副業分の住民税は会社を通さず自分で直接納付する形になり、会社に通知される住民税額は本業分のみになります。
ただし、自治体によっては普通徴収を選択しても特別徴収(給与天引き)に一本化されるケースがあります。確実を期すなら、確定申告前に市区町村の税務課に「副業分を普通徴収にできるか」を電話で確認しておきましょう。
そもそも「バレないようにする」という発想より、就業規則を確認し正当に副業を行うほうが、長期的にはリスクが低いです。2024年以降、副業を解禁する企業は増加傾向にあり、堂々と申告できる環境を作るほうが健全です。
副業所得が年20万円以下でも住民税の申告は必要です。確定申告をする場合は「普通徴収」を選ぶと、副業分の住民税が会社に通知されません。ただし自治体によって対応が異なるため、事前確認がおすすめです。
開業届・青色申告のメリットと育休中に出すタイミング
副業を継続的に行うなら、開業届を出して青色申告をすることで最大65万円の所得控除が受けられます。年間所得が48万円を超える見込みがあるなら、節税メリットは大きいです。
開業届の提出は税務署で行い、手続きは無料です。同時に「青色申告承認申請書」を提出すれば、その年から青色申告が可能になります。提出期限は、開業日から2か月以内(1月1日〜1月15日に開業した場合は3月15日まで)です。
育休中に開業届を出す場合の注意点は、雇用保険のハローワーク窓口に事前確認することです。「開業=自営業者になった=育休の要件を満たさない」と判断されるケースはまれですが、ゼロではありません。多くの場合、育休中の副業程度であれば問題ないとされていますが、自治体やハローワークの判断基準には差があります。
おすすめのタイミングは、副業収入が月3万円を3か月連続で超えた段階です。それ以前に出しても、青色申告の帳簿付けの手間に見合う節税メリットがないため、焦る必要はありません。freeeやマネーフォワードの無料プランを使えば、帳簿付けもそれほど難しくありません。
まとめ|育休中に働くことは「正しい知識」と「小さな一歩」で成功する
育休中に働くことは、法律で禁止されているわけではなく、正しいルールを理解すれば収入アップ・スキルアップ・社会とのつながり維持など多くのメリットがあります。一方で、給付金の減額ラインや就業規則の確認を怠ると、思わぬ損失やトラブルにつながるリスクもあります。
この記事のポイントを振り返りましょう。
- 育休中に働くこと自体は違法ではない。ただし勤務先で働く場合は「月10日以下・80時間以下」が給付金の支給要件
- 業務委託・個人事業の副業収入は育児休業給付金に影響しない。トータル収入を増やすなら業務委託形態が有利
- Webライター、SNS運用代行、ハンドメイド販売、オンラインアシスタントなど在宅で始められる選択肢は豊富
- 就業規則の副業規定は必ず事前確認。許可を得る際は記録に残す形で
- 副業所得が年20万円以下でも住民税の申告は必要。確定申告をするなら「普通徴収」を選択
- 産後3か月は体調回復を優先し、本格的な受注は4か月目以降がおすすめ
- 育休中の実績をポートフォリオ化しておくと、復職後のキャリアアップや複業に直結する
最初の一歩は「クラウドソーシングサイトに登録して、プロフィールを作成する」だけで構いません。登録しただけでは何も起きませんが、「いつでも始められる状態」を作ることが、行動のハードルを大きく下げます。育休という貴重な期間を、未来の自分への投資期間に変えていきましょう。